2011年は、これまでのベヘリットの表現を大きく上回る生々しさと、よりリアルな生命感を感じる仕上げとしました。
赤は単色ではなく、複数の色を使って深みと変化のある仕上りです。
目や鼻、口の部分には中心に薄くシャドーを入れ顔の造形がくっきりと引き立つように工夫しています。
また、表面には毛細血管をイメージしたブルーの細い線をバチカン周辺部から下へ、繊細なグラデーションをかけながら手で描き込んで変化を与えました。
適度な光沢感と、生き物の肌を思わせる複雑な彩色が、これまでのベヘリットにはない不思議な生命感を引き出しています。
バチカン部は酸化した金属をイメージした重厚感のある色で、鮮やかなベヘリット本体を引き立てています。
彩色工程は前作を大きく超えた手の込んだ製品に仕上がっています。

蝕の印象的な瞳の彩色は全て手作業で行っており、熟練したフィニッシュ技術を必要とします。
年数を重ねた職人の仕上げにより、黄色く小さい瞳の中に、さらに小さな瞳孔を描き込みました。まるで涙に濡れた人の瞳を思わせる迫力です。
見開いた目からは涙がこらえきれずに頬を伝って流れ落ち、口の中の濡れた歯や舌も生々しい質感で再現されています。
また、「蝕」と、別売の「覇王の卵」は、本体の明度を変えて仕上げてあります。
静かな生命感を感じさせる「覇王」は暗く、激しい叫びを思わせる「蝕」はより明るい赤で対比を表現しました。

ストラップ素材は、より強度のある黒の平革紐に変更しました。(※コードエンド金具なし)
しっかりと厚みのある革紐のため、首から下げてネックレスとして楽しむことも、またディプレイに吊り下げて展示することも可能です。


[仕様]
塗装済み完成品

[素材]
ポリストーン・バチカン部に一部金属、本革(牛皮)

[重量]
約30g

[原型制作]
ART OF WAR